(3)入門『剪定と灌水』




●剪定

 剪定は「ばらを見回るときは必ず剪定ばさみを持って」というほど、良い花を咲かせるための重要なポイントです。時期によって剪定の仕方が変ります。ポイントをあげると次のようになります。

(1)休眠期の剪定は大胆に。
 ツルばらの剪定は次年度の花用の新しいシュートを残して、その他を大胆に整理します。つるばらの剪定を行う際とても便利なツールとして町田ばら会では「ひっかけくん」を自作して使うことをお勧めしています。
 HT種などで鉢植えはとくに3〜5本の枝になるまで大胆に切り落とします。それでもあっという間に大きくなるということを実感して下さい。

(2)春先にはシュートのピンチ
 とくにHT種の場合、どの枝に花を付けさせるか、ピンチおよび摘蕾によって花枝を導かなければなりません。この作業によって、はじめて大きく美しい花が生まれてくるわけです。

(3)花後の剪定
 花が咲いて終わりに向かうときには、速やかに花がらのついている花枝を剪定します。すると切り口付近からまた新たに花枝が生まれ、新たな花を咲かせます。開花シーズンが終わるまで、この作業を繰り返すことで花が咲き続けます。




●水遣り

 植物に水は不可欠ですが、ばらにはとくに週に一度は大胆に灌水します。地植えでは30〜40cmも深く地中にある毛根に栄養を行渡らせるためにも重要です。土の表面が乾いてきたら散水ではなく、バケツを使って大胆に水をあげましょう。ばらの育成で失敗するケースの一つに、この灌水を十分に行なっていない事が多いのです。土の表面だけを濡らすような散水では地中深くまで水分と栄養が運ばれないことは、入門の「肥料」の効果説明からも容易に理解できます。なお、灌水の際に植物の生育に有益な微量元素を含むハイポネックス等の即効性液肥の希釈液を併用するとさらに効果的です。

 鉢植えの場合は、土の表面の乾き具合を確認しながら原則として毎日水をあげます。また、鉢は水はけと保水のバランスを両立させるため、肥料効果の持続性はあまりよくありません。たっぷりと水溜一杯に灌水すると同時に、希釈した液肥等で養分を補ってやることも必要です。



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