(3)初級『肥料』




●秋から冬への肥料

 秋の花が咲き終わって、寒さもだんだんと深まり、外気温が摂氏10℃以下になるとバラの生育が止まり、「休眠状態」になるといわれています。この「休眠」に入る前に株に耐寒性と樹を充実させるためにカリ肥料として草木灰や籾殻燻炭を土壌に鋤き込むことが有効です。また土壌の酸度を調整するために石灰分を与えましょう。なお、カリ成分と石灰分の蒔き時は、反応して効果を減退させることを避けるため、同時に実施せず、1週間程度時間を離して行います。

(第44回町田ばら作り教室資料)



●冬の元肥について

 冬に与える肥料は、ばらが栄養分を吸収した後の土壌に栄養分を補給することが役目ですから一応の基準があるはずです。ばらの花や枝等を分析して、N:P:K比率が1:3:1であることから、与える肥料もN:P:Kバランスが1:3:1の割合がよいとされています。ただ、土壌に蒔かれた肥料が全て効率よく吸収されるわけではありませんので、実際には一株あたり200gから1kgとかなり多めの量を施肥します。N,P,Kのバランスを考慮した施肥を考えるにあたり、
 一例として、不足成分の必要量計算式を示します。
 不足肥料の必要量(g)=不足する成分の量(g)×100/補充する肥料の成分濃度(%)
 具体例を示しましょう。
肥料量
成分量g
成分量g
成分量g
油粕 400g
20.4g
10.0g
4.4g
骨粉 400g
14.0g
96.0g
0g
米糖 400g
4.1g
15.2g
5.6g
成分合計
42.8g
121.2g
10.0g
 上記の表から窒素分と燐酸分は比率がほぼ1:3になりますが、カリ成分が30g不足することが分かります。バランスさせるため、カリ成分を硫酸カリで補うとすると、硫酸カリ中のカリの含有量は50%ですから、上記の計算式から60gの硫酸カリを補充すればよいということが分かります。
 また最近では元肥肥料として土に鋤き込んで使えるIB肥料などの緩効性肥料も重宝されるようになりました。

(第44回町田ばら作り教室資料)



トップへ戻る